事実婚の妻に財産を残したい

相続

<設例>  事実婚の妻と、その妻との間にできた子供が一人います。自分には兄が二人いますが、このまま自分が死ぬと妻子には財産を相続できないと聞きましたが・・・・・・。

現代は多様なパートナー関係が存在しており、愛し合って一緒に住んでいますが法律上結婚していないパートナーがいます。

いわゆる、内縁関係、事実婚といいます。

相続に関しては、我が民法は法律婚主義をとり、法律婚関係にない事実婚関係は法定相続人にはなりません。設例では、本人亡き後の財産は、二人の兄が相続することになります。

よって、夫が妻に財産を承継する方法として生前贈与、死因贈与、そして遺贈があります。

遺贈は、遺言として「全財産を妻に遺贈する」と書きます。

遺言で全財産を内縁の妻に遺贈した場合、夫の兄弟には遺留分がないので、兄弟から遺産をよこせという主張は法的に認められません。

尚、内縁の妻との間にできた子を認知すれば、その子は法定相続人となり、財産の相続権があります。設例の場合、相続人は子一人ですから、その子の遺留分は全財産の1/2となります。

ここで特別縁故者について少し書きます。

設例で夫の兄弟がいない場合は、相続人がいないので相続人不存在として相続財産清算人が家庭裁判所により選任され、その清算人が相続財産を管理清算することになりますが、被相続人と特別の縁故があったもの(特別縁故者)がいれば、家庭裁判所の審判により、この者に相続財産の一部または全部が分与される(民法958条の2)。

特別縁故者とは、「被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故にあった者」であり、事実婚の妻はそれに含まれます。

特別縁故者は分与の審判が確定すれば相続財産を取得できますが、予め遺言書を書き残し、遺贈するほうが何かと便利であると思います。

遺言・相続に関する相談は、ぜひ横浜・青葉台の行政書士、古橋までご相談ください。

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