遺言・成年後見制度見直し

遺言

令和6年2月14日、今日はバレンタインデーですね。チョコレートの話題ではなく、新聞では、成年後見・遺言制度見直し諮問を伝えています。テーマが二つあるのですが、最初に成年後見について。

成年後見制度の問題点として、

・いったん制度を利用すると原則、途中でやめられないこと。

・利用者の権利が必要以上に制限されないよう、後見人が代理できる範囲を限定する仕組みを検討する。

など、があげられています。

記事を読んでわかりづらいところは、遺産相続を機に制度利用を始め、後見人が選任された場合、相続が解決(遺産分割が終了)すれば法的支援の必要性が低くなるが、途中でやめるのは難しい、とあります。

具体的場面で考えてみましょう。                                         

妻が認知症であってほとんど判断能力がなく、夫が亡くなりました。夫婦には子が二人います。遺言がないとして、妻と子二人の三人で遺産分割協議をすることになります。

妻は相続のことなど当然理解できないので、このようなケースで妻に後見人が就くことがあります。本人を相続人とする相続若しくは受遺者とする遺贈、となります。成年後見の利用場面で大変多い場面です。

後見人は妻の法定相続分を確保すべく働きます。家庭裁判所や後見監督人と相談しながら、本人の利益を擁護します。

こうして遺産分割が終了し「相続が解決」しても、成年後見は本人が亡くならない限り終了しません。ですから、後見人に対する報酬を払い続けることになります。判断能力の衰えた本人の法的保護が必要ないのであれば、ここで後見終了できる制度を設けてもよさそうですが、本来の後見制度の目的である本人の権利擁護が維持できるかが問題となりそうです。

次に、遺言のデジタル化について。

前回のブログで、自筆証書遺言について書きました。自分で遺言全文、氏名、日付を手書きし押印する、でしたね。

これを、パソコンなどデジタル機器を使って作成することを可能にする議論のようです。時代の流れかもしれませんが、遺言者の本人の意思尊重が担保されなければなりません。

ワープロによる遺言書作成では、当然ですが第三者の不正な関与を排除しなくてはなりません。ここは本人の自筆に勝るものはありません。民法の根幹に関わる部分ですから、法制審議会では慎重かつ十分な検討をしてほしいと思います。

遺言・相続に関する相談は、ぜひ行政書士の古橋までご相談ください。

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